十番稲荷は緑の春

都会の真ん中で、階段をのぼるとわずかな敷地の境内に神殿がある。油揚げが2枚、お稲荷さんに捧げてある。あじさいを育てている。いろんなお守りが頒布されていて、社務所にいる巫女さんが漫画に出てくるみたいな美人さんだった。信心深い都市生活者たちが階段を昇っていく。両脇には、「七福神の宝船」と「かえる神&庚申塔」がある。隣は地下鉄の階段。道を挟んで少し右に歩いたところが、はっぴいえんどの「暗闇坂むささび変化」で歌われる暗闇坂の入り口だ。そしてここに十番稲荷ができる以前には、パティオ十番に像がある「赤い靴」の「きみちゃん」がいた孤児院があった。
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私はこの街で生まれたのだった。
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