しずかな個人経営の定食屋さん
あったかい、しずかな、場所でした . おじさんが一人でやっていました。おじさんを、近所の方でしょうか、優しいおばさんが元気づけていました。おじさんは、お声がまったく出ないようでした。おばさんはお客さんではなくて、おじさんを励ましていた。僕が入ると、おばさんは、「お嬢さん?」と言いました。おじさんは首を振りました。おばさんは、僕にも笑顔で手を振って帰って行きました。 おじさんに「生姜焼き定食」と言うと、指でオッケーのサイン。すぐにお漬物やお味噌汁とともにお食事が。生姜焼き定食は、小さく刻まれ、お野菜の上に。お漬物は量たくさん。(先日の吉祥寺カレーまめ蔵の福神漬け別売りはやっぱり間違いだったのです) テレビもなく、人通りも少なく、しずかです。おじさんは新聞を読み出します。おじさんは鼻をかみます。 生姜焼き定食は、ボリュームがあるのに、お腹がもたれません。700円。安いです。ほかのとんかつやチキンカツの定食も700円です。人間的な空間の上に、お安いのです。機械的なファストフードやファミリーレストランのほうが高価ではありませんか。 帰るとき、おじさんに「ごちそうさま」といいました。おじさんもお辞儀をしてくれました。あれからお客さんたくさん来たかなあ。 外に出ると、もう夜でした。 .