都はるみ「はるみの三度笠」7inch
1969年の7インチ。股旅ものって、昔よくあったんです。
A面の「はるみの三度笠」は、十九の女の子が男装して渡世人になって旅をしている。
でも、ときどき、女の子だとバレてしまいそうになる。
サビの部分の、「おっととっと いけないよ~」が、おかしくて、たのしい。
彼女はなぜ、男のふりをして渡世人になったのか?
市川昭介が、作詞も作曲もしている。
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B面は「見たか、聞いたか、わかったか」。
シンプルだ。
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昔のやくざものの演歌は、じつにシンプルこの上ないのである。
余計なことは申しません。
サルトル、マルクス並べても、明日の天気はわからないのだ。(三上寛)
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「敵も多いが味方もいるぜ」のフレーズにシビレる。
人生で大切なことは、「座頭市」「木枯し紋次郎」など、アウトロー社会からもアウトした本物たちが教えてくれる。
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美空ひばりが亡くなったとき、メディアは「昭和歌謡が終わった」としきりに伝えたが、都はるみだけは「そんなことはない」と啖呵を切った。
そのことについては、平岡正明「美空ひばりの芸術」(パノラマ書房)に詳しい。
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