穢れと血、0と1から9(愛とi)
僕には穢れがあるのに、穢れに悩んできたのに、あの子は僕を透明だと言う。穢れがないなら透明とは言えないとも言う。あの子には穢れはなかった。あの子には血があった。血に悩んでいるようだった。僕には血がなかった。
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あの子は1から9までのあいだをさまよいながら歩いていた。僕は0から1になれないまま歩いていた。僕にはあの子がうらやましかった。でもむかしのあの子といまのあの子はすこし違った。あの子は0になれない人だった。あの子は僕をうらやましいと言う。
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あの子は僕を好きと言う。僕は1から9になりたかった。でもあの子は僕を0からiにした。iなら1から9に混ぜることができるからだ。でもその混ざった僕は僕ではなかった。僕は0だった。僕は1になりたかった。0と1から9のあいだにはiがあるのだろうか。穢れと血は似ているだろうか。穢れと血のあいだに愛はあるだろうか。
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あの子と僕は同じ脳のコアを持っていた。それは確かだった。
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